どんな規模で葬儀をすればいい?

葬儀の規模や人数の選び方。家族葬はお金がかからないのはウソ?!

葬儀を行う際にまず決める必要があるのが「どんな規模で葬儀を行うか」です。一般的に、葬儀の規模は参列する人数やご遺族の意向によって決まります。葬儀の費用は規模によって異なりますが、必ずしも「規模が小さい=費用が安い」とは限らないので注意が必要です。

「参列の人数が少ないから小規模な家族葬で済ませよう」「金銭的な負担が少ないようにたくさんの人は呼びたくない」と思っていると、予想以上に負担額が多くなり驚く場合も少なくありません。

このページでは、葬儀の規模や参列人数の決め方について詳しく説明し、それぞれの費用やどんな人に向いているかを解説していきます。「どんな人を葬儀に呼べばいいか」「できるだけ費用を抑えるためにどうしたらいいか」など、葬儀の規模に悩んでいる人はぜひ参考にしてください。

さまざまな葬儀の形式

葬儀の形式は、下記の5種類が一般的です。故人の社会的地位や交友関係などから参列人数や規模を決めます。形式によって費用が異なるので、経済状況に合わせることも重要です。

【葬儀の形式】

・家族葬(密葬)

・一般葬

・火葬式(直葬)

・大型葬

・社葬・合同葬

それぞれの葬儀について、人数・規模・費用・どんなひとに向いているかを詳しくみていきましょう。

家族葬(密葬)

家族葬

家族葬は、家族・親族・親戚のみで執り行う葬儀形式です。お通夜・告別式に友人や知人を呼ばないので、小規模な葬儀になる場合が多く、大きな式場が必要ありません。

【一般的な家族葬】

人数10名~20名
規模家族・親族のみ
費用葬儀代金+料理+返礼品

家族葬では、より規模の大きな葬儀より会場使用料・料理代・返礼品費用が安いので、支払いが少なくなる傾向があります。

ただし、参列者が少ないので、香典も少なくなり、自己負担金額が通常よりも大きくなる場合もあります。規模が大きい葬儀は香典収入で全ての費用をまかなえることもあり、「規模が小さい=費用が少ない」と限らないのはこのためです。また、親族の人数が多いと家族葬でも一般葬とあまり変わらない金額になる可能性もあります。

一般葬

一般葬

一般葬は、家族・親族に加え、生前お世話になった故人の友人・知人・仕事関係の人が参列する葬儀です。従来多く行われてきたポピュラーな形式で、「お葬式」と聞いて多くの人が頭に浮かぶのがこの一般葬の形式です。

【一般葬の形式】

人数20名以上
規模友人・知人・仕事関係者・一般の人など訃報を聞いて自宅に来てほしくない人
費用葬儀代金+料理+返礼品

一般葬は家族葬よりも会場が大きいので、会場費が上がります。また、参列者の人数分の料理や返礼品が必要なので、費用自体は家族葬より高いです。ただし、弔問者が多くなると香典が多くなるので、実際に負担する金額は小規模な葬儀よりも少なくなる場合があります 

火葬式(直葬)

火葬式

火葬式は、お通夜・告別式を行わずに火葬のみを行う形式で、直葬とも呼ばれます。納棺・お別れの儀式などの必要最低限の儀式で構成され、遺族が故人とお別れすることが目的です。

【火葬式の形式】

人数4〜5名
規模少人数で火葬のみ
費用納棺費+火葬費

火葬式は経済的な余裕がない人や、宗教にこだわりがない人、参列者が少ない人に向いています。また、遺族に負担をかけたくないという故人の意向で火葬式が選ばれる場合も見受けられます。

ただし、親族や周囲の人の中には、「お通夜や告別式できちんとお別れをしたい」と思っている人がいるかもしれません。直葬をする際には周りとよく相談して決めるのがトラブルを避けるポイントです。

大型葬

大型葬

大型葬は100人以上が参列する大きな規模の葬儀です。故人が会社の代表を務めている・仕事や趣味などの知り合いが多い・各方面で活躍しているなど、多くの人が葬儀に参列すると予測される場合に大型葬が執り行われます。

【大型葬の形式】

人数100名以上
規模社葬までにはならないが会社の代表の方
費用葬儀代金+料理+返礼品

大型葬では、大きな式場を使うことになるので会場利用費が高額になる傾向があります。また、会場の大きさに合わせて祭壇も大きくなり、祭壇料も高くなりがちです。葬儀社の人件費・参列者の飲食費や返礼品なども合わせると、200万円以上の費用がかかります。

ただし、大型葬でも一般葬と同じように参列者からの香典で負担額は軽減されます。参列人数の予想が立てづらい場合は、故人や遺族の関係者ごとに参列者数を予想したり、過去の年賀状を参考にすると大まかな予想が可能です。葬儀社によっては、参列人数の異なる複数の見積もりを用意してくれたり、予定人数より多めに返礼品を用意してくれたりすることもあるので、事前に相談しておきましょう。

大型葬の場合は、喪主の負担が大きくなります。食事・受付・駐車場などの担当を決め、頼れる親族や知人たちと役割分担をしておくとスムーズです。

社葬・合同葬

社葬

社葬とは、会社が施主となって執り行う葬儀を指します。故人が会社の創始者・会長・社長・役員などの経営陣である場合や、会社に大きく貢献した・業務中に亡くなったなどの際に行われることが多いです。

一般的な葬儀と異なるのは、社葬では喪主は遺族・施主は会社関係者が務める点です。一般葬では葬儀費用を遺族や親族が負担しますが、社葬では費用の一部または全額を会社が負担します。遺族と企業が合同で行う場合は、合同葬と呼ばれることもあります。

【社葬の形式】

人数100名以上
規模会社が主体となる大規模な形式。会社関係者が参列する。
費用葬儀代金+料理+返礼品

社葬では多数の参列者がいるため、遺族は故人とのお別れの時間をほとんど取れません。そのため、まずは家族や親族だけで小規模な葬儀を行い、そのあと会社関係者向けの社葬が営まれる場合が多いです。

社葬の費用は、会場利用費・料理費・人件費など葬儀全般にかかる費用は会社側が負担し、お布施・戒名料・火葬費など宗教に関する費用は遺族が負担するのが一般的です。香典については、親族からの香典は遺族が受け取り、会社関係者へは香典辞退として香典を受け取らないなど扱いを分けることが少なくありません。

葬儀の規模と選び方の基準

これまでに説明した葬儀の形式を下記の表にまとめます。どんな規模の葬儀を執り行うのが良いか参考にしてください。

家族葬(密葬)参列者:10名~20名程度家族・親族のみが参列する小規模な葬儀。
身内だけでゆっくりお別れの時間を過ごしたい方向け
一般葬参加者:20名以上家族や親族、友人・知人が参列する一般的な葬儀。
交友関係の広い方や多くの方に参列してほしい方向け
火葬式(直葬)参列者:4~5名程度少人数で火葬のみの形式。
費用を抑えたい方・宗教にこだわらない方向け
大型葬参列者:100名以上知人・友人など一般の人が多く参列する葬儀。
交友関係の広い方や多くの方に参列してほしい方向け
社葬・合同葬参列者:100名以上会社が主体で行う大規模な葬儀。
会社の経営陣や多くの関係者が参列する方向け

まとめ

葬儀の規模は、参列者の人数・遺族や故人の意向・生前の交友関係や社会的地位によって決まります。参列者が多いと費用が高くなると思われがちですが、香典によって葬儀費用の自己負担が少なくなることもあるので、事前に葬儀社に確認するのがおすすめです。「どんな風にお別れがしたいか」「誰に参列してほしいか」「予算はどのくらい必要か」など、喪主や遺族の考えを葬儀社に伝え、納得ができる葬儀が執り行えるよう準備を進めていきましょう。