お寺選びについて

お寺選びの3ステップと知っておくべきこと

葬儀の準備で大切なことの一つに「お寺選び」があります。すでにご先祖様のお墓がある・檀家になっている場合は、お寺選びは必要ありませんが、決まったお寺とのお付き合いがない家庭も多いのではないでしょうか。いざ葬儀となったときに「どのようにお寺を選んだら良いか」と困ってしまう人も少なくありません。

「お寺」と一言で言っても、雰囲気・設備・住職の人柄などお寺によって特徴が異なります。トラブルにならないためには事前に費用の確認が必須です。また、お寺にお墓を立てるのであれば、葬儀のときだけでなく、その後もお墓参りで通うことを前提に決める必要があります。

この記事では、お付き合いのあるお寺がない人のために、どのようにお寺を選べば良いかを3ステップに分けて説明します。そのほかにも、これまでに多数の葬儀のお手伝いをしてきた葬儀のプロの目線から、お寺選びのために知っておくべきことを紹介します。自身や故人のお寺選びで迷っている人はぜひ参考にしてください。

お寺選びの3ステップ

まずはお寺選びに必要な事前準備を3ステップに分けて紹介します。

【お寺選びの3ステップ】

  • 通える範囲のお寺をリストアップする
  • お寺に訪問したり、行事に参加したりしてみる
  • 費用の確認をする

それぞれのステップでするべきことを詳しく解説します。

STEP1:通える範囲のお寺をリストアップする

お寺とは葬儀のときだけでなく、葬儀の後もお付き合いが続くので、無理なく通える範囲でお寺を探すのが大切なポイントです。法事・お墓参りのほかにも、お寺の行事に参加するなどお寺に行く機会は思っている以上に多い可能性があります。お寺との距離が近いとお墓参りに行く回数も自然と増え、故人との精神的な繋がりを感じられることもメリットです。

お寺の宗派も重要です。日蓮宗・浄土宗・浄土真宗・曹洞宗など、お寺によってさまざまな宗派があるので、家族や親族に事前に宗派を確認しておきましょう。宗派の違いがトラブルにならないよう注意してください。

宗教・宗派を考慮しながら、近場にある寺院をリストアップしていきます。知人や友人に紹介をしてもらうとリアルな情報が聞けるのでおすすめです。お寺の近所の人の評判も参考にしながら、候補を絞っていきましょう。

STEP2:お寺に訪問したり、行事に参加したりしてみる

候補のお寺が決まったら、実際に訪問したり、行事に参加してみたりして雰囲気や設備を確認するようにしましょう。駐車場があるか・お墓までの距離はどうか・水場があるか・住職の人柄はどうかなどは、今後長く通ううえで重要なポイントです。ホームページがあるお寺もありますが、実際に行ってみないとわからないこともあるので、一度訪問しておくことを推奨しています。

お墓を建てるのか・永代供養に入れるのかによっても選択基準が異なるので、どうしたいかをよく話し合っておきましょう。

STEP3:費用の確認をする

2から3の寺院まで候補が絞れたら、費用を比較して最終決定をします。お寺に支払う費用は大きく分けて次の3つです。

【お寺に支払う費用】

・護持会費

・お布施

・臨時費用(寄付金・建て替えの際の建築費など)

護持会費は檀家になると年に1回程度集金される費用です。維持費や管理費として徴収される場合もあります。お寺によって金額の差が大きいので忘れずに確認してください。

お布施は葬儀やお寺の行事の際に渡す金額の総称です。金額の相場が決まっていることが多いので、寺院に問い合わせて確認しておきます。

臨時費用はその都度金額が決まるので事前の確認は難しいですが、こういった費用が発生する可能性があることを理解しておきましょう。

遠方の場合はどのように供養すればよい?

地元から離れて住んでいると、両親の葬儀や埋葬を地元のお寺にお願いすると自身で墓地の管理をするのが難しい場合も少なくありません。そのような場合は永代供養墓地に埋葬するか、自分で地元の埋葬先を探す必要があります。

永代供養とは

永代供養とは、遺族の代わりに寺院に遺骨の管理・供養をしてもらうことを指します。遺族がお墓の管理・継承する必要がなく、管理を寺院に全て任せる方式です。

近年は子どもや孫の負担を減らすために自ら永代供養を選ぶ人も増えています。また、お墓用の土地や墓石の費用がかからないので、費用面を考慮して永代供養が選ばれることも多いです。

永代供養のほかには、地域のお墓の掃除サービスを利用する方法もあります。会社によって費用やサービス内容が異なるので、いくつかの会社に問い合わせて費用を比較してみましょう。

檀家にならない場合

お墓をお寺の中に建てず別の方法で埋葬したい場合は、葬儀でお経だけをあげてくれるお寺を探す必要があります。基本的には葬儀をした寺院の檀家になり、そのお寺にお墓を建てるのが通常の流れです。そのため、お経だけをあげてくれる寺院を自分で探すのは簡単なことではありません。

方法としては、市営墓地や民間霊園を探す・お寺に直接依頼することがあげられます。葬儀社に依頼すれば、俗名で拝んでくれる寺院や読経のみ依頼できる寺院を紹介してくれるので、自分で探すのが難しい場合は地元の葬儀社に問い合わせてみましょう。

葬儀社に相談してみる

お打合せ

ここまでお寺の選び方や、イレギュラーな場合の対応を説明しましたが、わからないことや困ったことがある場合は葬儀社に相談するのが得策です。葬儀社に相談すれば、さまざまな遺族のお寺選びをした経験から、状況に合わせたアドバイスが得られます。お寺に関する情報が豊富なので、葬儀社にお寺の評判を聞くのも参考になります。

寺院にこだわりがない・近くに良い寺院がない・選び方がよくわからない・急な葬儀で急いで寺院を決める必要があるなど、気軽に相談してみましょう。

まとめ 寺院選びは慎重に

寺院は、自分だけでなく次の世代も関わる可能性がある場所です。長い付き合いになることを踏まえ、慎重に選ぶことが重要ですが、宗派・費用・利便性・評判などの条件を満たす寺院を見つけるのは簡単ではないかもしれません。

生前からお寺について話しておくことで、いざとなったときに「どのお寺にすればいいかわからない」となるのを防げる可能性が高いです。終活の一環としてお寺を決めておけば、遺族の負担を減らすことにもつながります。

お寺選びで迷ったときは、地元の葬儀社に相談して、条件に合った寺院を紹介してもらいましょう。プロのサポートも利用しながら、納得のいくお墓選びをしてください。